介護福祉士筆記試験の合格点本文へスキップ

介護福祉士:筆記試験対策

筆記試験の合格点を知ろう!program

分析!介護福祉士筆記試験:合格点の推移状況から見た難易度

介護福祉士の資格を取得するには、まず、筆記試験に合格しなければなりません。

※ 以前は国家試験を受けなくても介護福祉士の資格が取得できるルートもありましたが、平成27年度(第28回)以降は養成施設卒業者も国家試験が必要となります。

そのため、試験の難易度が気になるところですが、ここでは介護福祉士筆記試験の合格点にスポットをあて、その推移状況から見た筆記試験の難易度について少し分析してみましょう。


筆記試験の合格基準を知ろう!
(財)社会福祉振興・試験センターの公式HPによると、介護福祉士筆記試験の合格基準は次のように定められています。
介護福祉士筆記試験の合格基準

次に示す2条件を満たした者。

【ア】 総得点(125点)の6割程度の正解率を基準(問題の難易度によって若干の補正あり)。

【イ】 アを満たした者のうち、以下の「11科目群」すべてにおいて得点があった者。(配点は1問1点形式の125点満点)
[1]人間の尊厳と自立、介護の基本
[2]人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
[3]社会の理解
[4]生活支援技術
[5]介護過程
[6]発達と老化の理解
[7]認知症の理解
[8]障害の理解
[9]こころとからだのしくみ
[10]医療的ケア
[11]総合問題

つまり、介護福祉士筆記試験の合格基準は〝総得点の6割程度〟ということなので、この合格ラインに従えば、75点以上の得点を確実にとることが、ひとつの目安(目標)となりそうです。
問題の難易度により補正ありが曲者
ところが、センターが公表している介護福祉士筆記試験の合格基準には〝問題の難易度によって若干の補正あり〟と明記されています。

つまり、前もって明確な合格点(合格ライン)が決められているわけではないということです。

参考までに、第16回以降の介護福祉士筆記試験の合格点を振り返ってみると、数年前までは合格基準である72点(第29回以降は75点)を下回る方が珍しかったようです。

※ ただし、介護福祉士試験は出題者のミスによる不適切問題もあるので、その分、合格点が押し上げられているのも事実…(不適切問題は基本的に全員正解扱いされます)。
合格点の推移状況【筆記試験】

合格点
(120点満点)
得点率 不適切
問題個所
2004年
第16回
84点 ⁺10点 70.0% 2箇所
【問22/問111】
2005年
第17回
82点 -2点 68.3% -----
2006年
第18回
73点 -9点 60.8% -----
2007年
第19回
77点 ⁺4点 64.2% -----
2008年
第20回
82点 ⁺5点 68.3% 3箇所
【問2/問14/問73】
2009年
第21回
76点 -6点 63.3% 1箇所
【問80】
2010年
第22回
75点 -1点 62.5% -----
2011年
第23回
71点 -4点 59.2% -----
2012年
第24回
75点 ⁺4点 62.5% -----
2013年
第25回
69点 -6点 57.5% -----
2014年
第26回
68点 -1点 56.7% -----
2015年
第27回
68点 ±0点 56.7% -----
2016年
第28回
71点 ⁺3点 59.2% -----

※ 筆記試験の合格点は第15回試験より公表されるようになりました。

近年は合格基準点が低くなる傾向も見てとれますが、今後どのような動きを見せるかは定かではありません。

したがって、ここ数年は合格ラインの下降傾向が見られるものの、介護福祉士筆記試験に関しては、総得点の7割(合格点に置き換えると84点)近い得点を取ることができれば、ひとまず安心とみることができそうです。


介護福祉士筆記試験対策に適した勉強スタイルとは…

参考までに、介護福祉士試験の合格率推移状況を右記表にまとめてみましたが、試験開始当初を除くと、例年50%前後(平成24年度には60%台に突入)で推移しており、一般的に公的資格や民間資格に比べ難易度が高いと言われている国家試験の中では、高水準で推移していることが見てとれます。

また、介護福祉士筆記試験は下記のような特徴が見られるため、市販テキストや問題集を使用した独学でも十分合格が狙える試験であるとみてよいでしょう。

チェック五肢択一のマークシート方式で行われる!
チェック本試験問題は標準レベルの問題が多い!

筆記試験の落とし穴
しかし、敢えて学習上の問題点を挙げるとしたら、先に示した介護福祉士筆記試験の合格基準にある、先に示した10科目群すべてにおいて得点することが合格条件のひとつとなっている点です。

つまり、0点の科目群がひとつでもあると不合格になってしまうということです。
筆記試験の得点配分【参考:第28回】

領域 試験科目 出題問題数 配点 合格基準
人間と社会 人間の尊厳と自立 2問 各1点
120点満点
総得点の
60%程度を基準として
問題の難易度で補正
人間関係とコミュニケーション 2問
社会の理解 12問
介護 介護の基本 16問
コミュニケーション技術 8問
生活支援技術 20問
介護過程 8問
こころと
からだのしくみ
発達と老化の理解 8問
認知症の理解 10問
障害の理解 10問
こころとからだのしくみ 12問
総合問題 総合問題 12問

※ 平成24年1月実施分(第24回)より、試験内容が大幅に変更。また、第29回試験から新たに「医療的ケア」の科目が加わり125点満点となります。

そのため、広範な試験範囲を、いかに効率よく学習するかがネックとなってくるので、実務経験によって受験資格を得ているような独学受験者は特に仕事と勉強を両立させながら本試験に臨まなければならないため、極端な不得意科目をなくし、かつバランスのよい効果的な学習法を自分で確立しなければなりません。

したがって、仕事が忙しく思うように勉強時間が割けないといった勉強不足がちな方や、福祉系学校を卒業してから、だいぶブランクがあるといった受験者は、特に本試験で狙われやすい論点を重点的に学習し、短期間で効率よく実力を身に付けていく必要があるので、場合によっては、専門スクール等を利用した勉強スタイルを検討してみるのも一法かもしれません。