MMSE 【認知症テスト】

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コレだけは押える!MMSE 認知症テストの基礎知識
実践!MMSE 認知症テストの具体的手技



コレだけは押える!MMSE 認知症テストの基礎知識


認知症は進行性の脳疾患なので、時間とともにどんどん悪化していきます。

近い将来、認知症に有効な治療薬が開発されるのではないかという明るい話も少なからず耳にしますが、仮にそのような新薬が完成したとしても、重度患者に対しては、あまり効果が期待できないとする見方が強いようです。

また、現時点において認知症患者に投与されている薬自体も、症状の重さに比例して、その抑制(緩和)効果は薄くなるというのが実情のようです。

つまり、認知症はいかに早期発見、早期治療に臨めるかが重要であり、認知症ケアに力を入れている医療機関では、様々な検査を行い病気を見逃さないよう注意を払っていますが、MMSEも認知症の疑いがある被験者のために開発された検査方法のひとつです。






MMSEとは、Mini Mental State Examination(ミニメンタルステート検査)の略で、米国のフォルスタイ
ン夫妻が1975年に考案した世界で最も有名な知能検査だと言われています。

このMMSEは、アルツハイマー型認知症などの疑いがある被験者のために作られた簡便な検査方法で、被験者に対し口頭による質問形式(各質問に点数があり、30点満点で判定)で行われます。

ちなみに、MMSEと似た検査方法の一つに、日本人が考案した『長谷川式簡易知能評価スケー』というものもありますが、この知能評価スケールは質問項目がSSMEよりも2問ほど少なく、図形問題などがありません。


聖マリアンナ医科大名誉教授である長谷川和夫氏が1974年に考案した知能検査テスト。1991年には改訂長谷川式簡易知能評価スケールとして改訂された。MMSE同様、痴呆症かどうかを短時間(5〜10分程度)で判別するためのテストとしては定評があり、よく利用されている。MMSEよりも質問項目が少ないのが特徴。ちなみに、数年前に公開された渡辺謙主演の映画『明日の記憶』でも用いられた検査方法。




認知症の疑いがある被験者に対して行われるMMSEは、主に記憶力、計算力、言語力、見当識(← 現在の日時や日付、自分がどこにいるかなどを正しく認識しているか)を測定するためのテストです。

参考までに、その質問内容を下記に示しておきますが、いずれも大の大人に対して問うような項目とは言い難いものが大半なので、自分が認知症の疑いがあると言う事実を受け入れられない(受け入れたくない)被験者にとっては馬鹿にされたような気持ちになり、興奮してしまったり、真剣に答えない被験者も少なくないという問題点も少なからず見受けられるようです。

したがって、MMSEを行う際には、被験者からその辺の理解(協力)が得られるかどうかが検査をする上で重要なポイントになってきます。







設問
質問内容
回答
得点
(30点満点)
1(5点)
今年は何年ですか?
今の季節は何ですか?
今日は何曜日ですか?
今日は何月何日ですか?


曜日

0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
2(5点)
この病院の名前は何ですか?
ここは何県ですか
ここは何市ですか
ここは何階ですか
ここは何地方ですか?
病院



地方
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
3(3点)
物品名3個(桜、猫、電車)
0〜3
4(5点)
100から順に7を引く(5回まで)。
0〜5
5(3点)
設問3で提示した物品名を再度復唱させる
0〜3
6(2点)
(時計を見せながら)これは何ですか?
(鉛筆を見せながら)これは何ですか?
0/1
0/1
7(1点)
次の文章を繰り返す「みんなで、力を合わせて綱を引きます」
0/1
8(3点)
(3段階の命令)
「右手にこの紙を持ってください」
「それを半分に折りたたんで下さい」
「それを私に渡してください」
0/1
0/1
0/1
9(1点)
(次の文章を読んで、その指示に従って下さい)「右手をあげなさい」
0/1
10(1点)
(何か文章を書いて下さい)
0/1
11(1点)
(次の図形を書いて下さい)
0/1



実践!MMSE 認知症テストの具体的手技


前項でも指摘したように、MMSEは被験者の理解(協力)がなければ、実施する意味はありません。

また、認知症だということを認めたくない被験者の中には、うまく取り繕って病気でないことを装う人もいるので、この種のテストを行う際には、客観的に観察する技術や洞察力などが少なからず求められます。

そこで、一般の方が認知症の疑いがある被験者に対して、このMMSEを使った認知機能検査を行う場合、どういった点に注意したらよいのか、その具体的な使い方(質問の仕方や採点方法)をいくつか示しておくので、参考にしてみてください。

※ ただし、検査者によっては下記に示したものとは異なる手技で行う者もいます。






質問内容を勝手にアレンジしない
被験者の体調が良いときに実施する
相手に不安を抱かせる「テスト」「検査」という言葉は使わない
原則、正答に導かせるようなヒントは与えない


27〜30点 正常
22〜26点 軽度認知症の疑いもある
21点以下 どちらかというと認知症の疑いが強い

※ 判定結果については上記と異なる診断をする場合もあるので、22〜26点以の被験者が必ずしも認知症であるとは断言できません。ただし、21点以下の場合は認知症の疑いが強いので、早めに一度、専門医の診断を受けることをおススメします。




設問1【日時等に関する見当識】

年については西暦・年号どちらでも正答とみなす。また、季節に関しては春夏秋冬のほか、季節の変わり目にあたる「梅雨」「初夏(冬)」等も正答とみなす。

設問2【場所に関する見当識】

自発的に答えることができたら正解。病院(診療所)の正確な名前の代わりに、通称や略称で答えた場合も正答とみなす。

設問3【3つの言葉の記銘】

「これから言う3つの言葉を言ってみて下さい」と教示し「桜・猫・電車」の3つの単語を1秒間隔で1つずつ言った後、被験者に繰り返させる(正答1つにつき1点/合計3点満点)。

最後に「また後で聞きますのでよく覚えておいて下さい」と念を押し、3つの単語が答えられるようになるまで繰り返す(ただし、6回繰り返しても覚えられない場合はそこで打ち切る)。

設問4【計算問題】

「100から7を引いた数を言ってください」と聞き、「93」と答えられたら「それからまた7を引くといくつですか?」と問う(5回繰り返す【93→86→79→72→65】)。正答に対して各1点(5点満点)を与えるが、計算に失敗したり答えが全くでてこないような場合は打ち切り、次の設問に進む。なお、最初の引き算を終え引き続いて質問をする際「93から7を引くといくつですか?」というように93≠ニいうヒントになるような数字を言ってはいけない。

設問5【3つの言葉の遅延再生】

「先ほど(設問3)覚えてもらった3つの言葉をもう一度言ってみて下さい」と問う(正答1つにつき1点/3点満点)。なお、答える順番は問わない。この設問に関して答えが出てこない場合は、被験者に対しそれぞれ別々にヒント(例:ひとつは(植物 or 動物 or 乗り物)でしたね)を出してもよい。
設問6【物品呼称】

被験者に時計を見せながら「これは何ですか?」と聞き、答えられたら1点。さらに、鉛筆についても同様の質問をし、答えられたら1点。

設問7【復唱】

「今から私が言う文章を繰り返して下さい」と教示した後、口頭でゆっくりと「みんなで力を合わせて綱を引きます」と言う。1回のみで正確に答えられたら1点。

設問8【口頭による3段階命令】

「今から私の言うとおりにしてください。ただし、私が言い終わってから始めて下さい」と教示した後、口頭でゆっくりと「右手(右手が麻痺している場合は左手に言い換える)にこの紙を持って下さい。次に、それを半分に折りたたんで下さい、そして私に下さい」と言う。被験者が混乱したり、紙を折ることができなければそこで打ち切る。各段階ごとに正しい作業が行えた場合に1点ずつ与える(3点満点)

設問9【書字理解・指示】

「この文を読んで、その指示どおりに従ってください」と教示する。右手が麻痺している場合は左手に置き換え、指示通りの手を挙げることができたら1点。

設問10【自発書字】

「ここに何か文章を書いてください」と教示し鉛筆と紙を渡す。その際、ヒントとなるような例文を与えてはならない。どんな文章でも構わないが、意味(主語がなくても全体的に文章となっていれば正答とみなす)のない文章(単なる単語(名前)は×)は誤答とみなす。

設問11【図形描写】

「ここに書かれている図形と同じものを書いてください」と教示し鉛筆と紙を渡す。交差する2つの5角形の図形が模写(手指のふるえは無視)できれば正答とみなす。2つの図形が交差していなかったり、5角形の図形が描けない場合は不正解とする。




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