一般的に若年性アルツハイマーとは、年齢が65歳に満たない人を対象とした病名ですが、特に若年性アルツハイマーは高齢者以上に症状の進行が早い傾向が見られる傾向も強く、まだまだ働き盛りの中高年世代(主に40~50代)の方が、この病にかかってしまうと、家族や仕事面での支障も大きく問題は深刻です。 したがって、医師から「あなたは若年性アルツハイマー病の疑いがあります」と診断されたときのショックは計り知れないものがあり、その治療方法があるのかないのか、とても気になるところかもしれません。 そこで、若年性アルツハイマー病と宣告された患者に対して、実際に行われている治療法にはどのようなものがあるのか、現在、主流の治療方法についていくつか紹介しておきましょう。 |
主成分 | 品名 | 特徴 |
塩酸ドネペジル | アリセプト |
1999年に発売され、約10年程の間、日本国内で唯一承認されていた治療薬。アルツハイマー病患者の脳内では記憶と深い関係にある神経伝達物質アセチルコリンが減少していることから、このアセチルコリンの濃度を高めることで記憶障害や知的障害の改善を試みている。根本的や治療薬とはなりえないが、比較的症状の軽い軽度アルツハイマー病患者に対しては、ある程度の改善(個人差もあるが数ヶ月~1年くらい前までの状態に回復させることができるとする報告もある)効果が期待できると考えられている。 |
ガランタミン | レミニール (Reminyl) |
世界70カ国以上で発売・処方されている主流の治療薬であり、2011年1月、ヤンセンファーマ(株)が厚労省より製造販売承認を取得したことで日本国内での処方も可能となった。塩酸ドネペジル同様、アセチルコリンを分解するコリンエステラーゼ阻害作用があるが、ニコチン受容体(←神経伝達物質を調節する役割を担っている)への作用がプラスされている点で異なってくる。海外では、主に軽度~中等度アルツハイマー病治療薬として使用。 |
リバスチグミン | エクセロン (Exelon) |
経皮吸収型製剤。上記2種の薬と同様、コリンエステラーゼ阻害剤の一種であるが、アセチルコリンだけでなく、ブチリルコリン(アルツハイマー病の悪化と関連があるのではないかと疑われている物質)エステラーゼをも阻害する点で異なってくるため、従来の薬が奏功しない患者にも効果が期待できると考えられている。また、経口剤とは違い、パッチ剤(貼り薬)として使用するため、副作用のリスクも軽減されるという点で患者に対する負担も少なく、世界40カ国以上で使用されている。日本国内では、ノバルティスファーマと小野薬品が、共同開発により貼付剤としてのアルツハイマー型認知症治療薬リバスチグミン(商品名:リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ)を発売。 |
メマンチン塩酸塩 | 海外:Namenda 国内:メマリー |
病気の進行を抑制するという点においては他の主製剤と似ているが、アセチルコリンの濃度を高めることで改善を試みるアリセプトのような薬とは違い、神経細胞を保護する(つまり、脳内で悪さをすると考えられているグルタミン酸(←記憶や学習能力と深いかかわりがある)の働きを阻害する)ことで症状の改善を試みている。中等度~高度アルツハイマー型認知症における治療薬として世界で広く使われており、2011年1月、第一三共製薬が厚労省より製造販売承認を取得したことで日本国内での処方も可能となった。 |
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