加齢(老化)による生理的現象としての物忘れとは違い、脳そのものが病気に侵されているために起こる記憶障害や知能障害がアルツハイマー型認知症です。 アルツハイマー型認知症の怖いところは、進行性の脳疾患であるという点です。 つまり、初期症状が現れたにもかかわらず、そのまま放置していると、個人差はあるものの症状はどんどん進行してしまい、末期症状ともなると、長年連れ添った夫(妻)の顔すら忘れてしまったり、徘徊行為や失禁・・・といったような、家族にとっては大変ショックな行動や言動を目にしてしまうケースもあるわけです。 しかし、アルツハイマー型認知症による障害は、根本的な治療法はいまだ確立されていないものの、近年は薬の種類も増えており、アリセプトをはじめ、レミニールやメマリーといった治療薬で症状の進行を遅らせたり緩和することができると考えられています。 ※ ただし、 中等度以上のアルツハイマー病患者には、あまり効果がないといった指摘もあります。 したがって、認知症の初期症状と思しき行動や言動が見られた場合には、アルツハイマー病が脳の病気であるということを理解し、できるだけ早めの受診を心がけることが大切です。 アルツハイマー型認知症が疑われる初期症状が見られた場合、何科を受診したらよいのか迷ってしまう方も少なくないようですが、この種の脳疾患を専門としているスペシャリストには〝日本老年精神医学会が認定している医師〟などが挙げられます。 したがって、こうした医師を抱えている脳神経内科をはじめ、精神神経科や老年科、あるいは物忘れ外来といった看板を掲げている医療機関が適切かと思われますが、現実問題として、この種の専門医はまだまだ少ないというのが現状のようです。 ※ 単なる神経科の中には、アルツハイマー型認知症などによる脳疾患は専門外というクリニックもあるので事前に確認が必要! また、医療機関以外にも、アルツハイマー型認知症患者の相談に乗ってくれる窓口はあるので、参考までにいくつかリスアップしておきましょう。
アルツハイマー型認知症にかかった患者に起こる障害は、大きく分けると、記憶障害・知的障害・感情障害の3つに分類することができます。 高齢者のアルツハイマー型認知症は、基本的にゆっくり進行(ただし、中期症状以降は早まるケースも多い)するため、口で言うほど初期症状を見極めるのは容易ではありませんが、具体的にどのような行動や言動がアルツハイマー型認知症患者の初期症状として現れるのか、典型的な事例をいくつかリストアップしておくので、参考にしてみてください。
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