これから初めて福祉住環境コーディネーター試験に挑戦しようと思っている人が、まず最初に気になってしまうのは、試験の〝難易度〟ではないでしょうか。 毎年、どれくらいの受験生が合格しているのか…? どれくらい勉強すれば、合格することができるのか…? 福祉住環境コーディネーター試験の難しい・優しいの判断は、個人差もあるので、一概に難易度を断定することはできませんが、客観的な試験難易度を測る上で、参考になるデータのひとつが、主催団体である東京商工会議所が公表している試験の合格率です。 そこで、第1回福祉住環境コーディネーター試験から第35回試験までの合格率推移状況を級別(2級と3級、1級は右記資料を参考)にまとめておくので、興味のある方は参考にしてみてください。
これまで公表されている試験結果を振り返ってみると、福祉住環境コーディネーター試験の合格率は、比較的、高い水準で推移(ただし、1級試験は除く)しているようです。 そのため、試験合格率という点から見た場合には、それほど難易度の高い試験であるとは感じられませんが、前項で示した福祉住環境コーディネーター試験の合格率推移表には、いくつか注目すべき点があるので、級別ごとに分析してみることにしましょう。 福祉住環境コーディネーター3級試験の合格率は、概ね40~60%の間で推移していることから、数字の上では、毎回、2人に1人程度は合格しており、非常に高い水準で推移していることが伺えます(ただし、第29回試験をみればわかるように、近年は波が激しくなってきており、回により難易度のばらつきが見られる…)。 これは、3級試験の目的が福祉と住環境に関する基礎知識や能力が備わっているか、その理解度を確認するための、いわば入門テスト(つまり、ごく基本的な問題しか出題されない)のようなものだからです。 さらに、公表されている受験者データの数字からは読み取れませんが、受験資格を必要とせず、かつマークシート方式による解答方法を採用しているこの手の試験は、「とりあえず…」「腕試しに…」といった、興味本位で受験される勉強不足の受験生も含まれています(つまり、勉強不足の受験生によって合格率が引き下げられている可能性が十分考えられる)。 ※ 受験資格がいらないため、専業主婦や学生の受験生も比較的多い。 そのため、試験対策をしっかりと行った上で本試験の臨んでいる受験生にとっては、公表されている福祉住環境コーディネーター3級試験の合格率よりもずっと高い確率で合格する可能性があるので、市販のテキストや問題集を利用した独学でも合格を手にすることは十分可能と考えられます。 一方、福祉住環境コーディネーター2級試験の合格率も、ここ最近は、比較的、高い水準で推移していますが、3級試験とはまた少し違った動きを見せているのが気になります。 つまり、これまでの受験者データを振り返ってみると、その合格率の幅は広く(10~70%前後)非常に激しい変動を見せている点です。 これは福祉住環境コーディネーター試験が、相対評価ではなく、絶対評価による合格基準を設けていることが一要因と考えられます。 ※ 福祉住環境コーディネーター2級試験は「100点満点中、70点以上の得点を得た者を合格者とする」といった合格基準が設けられています。
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