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徹底分析!福祉住環境コーディネーター試験:合格率の推移状況

これから初めて福祉住環境コーディネーター試験に挑戦しようと思っている人が、まず最初に気になってしまうのは、試験の〝難易度〟ではないでしょうか。

毎年、どれくらいの受験生が合格しているのか…?

どれくらい勉強すれば、合格することができるのか…?

福祉住環境コーディネーター試験の難しい・優しいの判断は、個人差もあるので、一概に難易度を断定することはできませんが、客観的な試験難易度を測る上で、参考になるデータのひとつが、主催団体である東京商工会議所が公表している試験の合格率です。

そこで、第1回福祉住環境コーディネーター試験から第35回試験までの合格率推移状況を級別(2級と3級、1級は右記資料を参考)にまとめておくので、興味のある方は参考にしてみてください。
3級試験の受験者データ
実施年度 受験者 合格者 合格率
H11 1回 9,935 6,183 62.2%
2回 8,427 3,710 44.0%
H12 3回 25,430 16,494 64.9%
4回 なし
5回 26,221 14,908 56.9%
H13 6回 33,728 17,421 51.7%
7回 31,676 15,083 47.6%
H14 8回 35,323 17,016 48.2%
9回 32,950 12,378 37.6%
H15 10回 35,120 14,832 42.2%
11回 32,458 10,633 32.8%
H16 12回 32,530 15,087 46.4%
13回 27,031 13,621 50.4%
H17 14回 23,592 12,250 51.9%
15回 20,913 9,345 44.7%
H18 16回 19,364 8,920 46.1%
17回 17,443 7,640 43.8%
H19 18回 13,626 5,559 40.8%
19回 12,372 5,160 41.7%
H20 20回 10,385 4,787 46.1%
21回 10,830 5,630 52.0%
H21 22回 10,988 7,527 68.5%
23回 10,302 6,420 62.3%
H22 24回 10,251 5,726 55.9%
25回 10,288 6,256 60.8%
H23 26回 9,013 5,373 59.6%
27回 8,635 3,828 44.3%
H24 28回 8,239 4,443 53.9%
29回 8,205 2,322 28.3%
H25 30回 7,454 4,702 63.1%
31回 7,159 4,023 56.2%
H26 32回 6,692 4,975 74.3%
33回 6,702 4,314 64.4%
H27 34回 6,312 3,971 62.9%
35回 6,521 4,171 64.0%
2級試験の受験者データ
実施年度 受験者 合格者 合格率
H11 1回 第4回試験より実施
2回
H12 3回
4回 15,016 2,534 16.9%
5回 15,458 5,542 35.9%
H13 6回 29,304 8,109 27.7%
7回 32,217 18,460 57.3%
H14 8回 38,099 10,462 27.5%
9回 45,979 7,023 15.3%
H15 10回 43,445 8,584 19.8%
11回 44,701 12,065 27.0%
H16 12回 41,012 17,630 43.0%
13回 38,294 12,453 32.5%
H17 14回 30,486 13,585 44.6%
15回 33,529 15,777 47.1%
H18 16回 24,370 7,207 29.6%
17回 27,815 16,133 58.0%
H19 18回 16,750 2,265 13.5%
19回 19,993 4,775 23.9%
H20 20回 14,793 7,209 48.7%
21回 15,977 10,572 66.2%
H21 22回 15,119 6,547 43.3%
23回 18,021 9,292 51.6%
H22 24回 16,497 8,196 49.7%
25回 17,960 11,018 61.5%
H23 26回 14,295 6,723 47.0%
27回 17,133 5,635 32.9%
H24 28回 14,738 7,981 54.2%
29回 15,216 8,043 52.9%
H25 30回 14,282 10,823 75.8%
31回 14,519 10,449 72.0%
H26 32回 12,905 4,890 37.9%
33回 15,423 6,522 42.3%
H27 34回 14,233 10,072 70.8%
35回 13,495 5,345 39.6%


合格率の推移状況から見た福祉住環境コーディネーター試験の難易度

これまで公表されている試験結果を振り返ってみると、福祉住環境コーディネーター試験合格率は、比較的、高い水準で推移(ただし、1級試験は除く)しているようです。

そのため、試験合格率という点から見た場合には、それほど難易度の高い試験であるとは感じられませんが、前項で示した福祉住環境コーディネーター試験の合格率推移表には、いくつか注目すべき点があるので、級別ごとに分析してみることにしましょう。
福祉住環境コーディネーター3級試験の難易度
福祉住環境コーディネーター3級試験の合格率は、概ね40~60%の間で推移していることから、数字の上では、毎回、2人に1人程度は合格しており、非常に高い水準で推移していることが伺えます(ただし、第29回試験をみればわかるように、近年は波が激しくなってきており、回により難易度のばらつきが見られる…)。

これは、3級試験の目的が福祉と住環境に関する基礎知識や能力が備わっているか、その理解度を確認するための、いわば入門テスト(つまり、ごく基本的な問題しか出題されない)のようなものだからです。

さらに、公表されている受験者データの数字からは読み取れませんが、受験資格を必要とせず、かつマークシート方式による解答方法を採用しているこの手の試験は、「とりあえず…」「腕試しに…」といった、興味本位で受験される勉強不足の受験生も含まれています(つまり、勉強不足の受験生によって合格率が引き下げられている可能性が十分考えられる)。

※ 受験資格がいらないため、専業主婦や学生の受験生も比較的多い。

そのため、試験対策をしっかりと行った上で本試験の臨んでいる受験生にとっては、公表されている福祉住環境コーディネーター3級試験の合格率よりもずっと高い確率で合格する可能性があるので、市販のテキストや問題集を利用した独学でも合格を手にすることは十分可能と考えられます。
福祉住環境コーディネーター2級試験の難易度
一方、福祉住環境コーディネーター2級試験の合格率も、ここ最近は、比較的、高い水準で推移していますが、3級試験とはまた少し違った動きを見せているのが気になります。

つまり、これまでの受験者データを振り返ってみると、その合格率の幅は広く(10~70%前後)非常に激しい変動を見せている点です。

試験合格率の傾向これは福祉住環境コーディネーター試験が、相対評価ではなく、絶対評価による合格基準を設けていることが一要因と考えられます。

※ 福祉住環境コーディネーター2級試験は「100点満点中、70点以上の得点を得た者を合格者とする」といった合格基準が設けられています。
絶対評価試験と相対評価試験の違い
絶対評価 相対評価
「規定の合格基準を満たした受験者は合格者とする」といった意味合いの試験制度。試験問題の難易度が極端に高いと基準に達しない受験者が続出(合格者の激減)する一方、問題レベルが低いと合格者が激増してしまうことも…。 「受験者の上位●●%を合格者とする」といったように、成績上位者から順に合格させる試験制度。比較的、難易度の高い国家試験などで導入されており、相対評価試験においては受験者同士による競争試験となりやすい。
そのため、受験者の合否は本試験の問題レベルで決まってしまう回もあり、いわば運が強く影響してしまうような受験者泣かせの一面がある点に注意が必要です。






1級試験の受験者データ
実施年度 受験者 合格者 合格率
H20 21回 1,143 56 4.9%
H21 23回 867 38 4.4%
H22 25回 761 45 5.9%
H23 27回 708 29 4.1%
H24 29回 630 33 5.2%
H25 31回 635 48 7.6%
H26 33回 611 37 6.1%
H27 35回 618 41 6.6%





試験対策:豆知識

福祉住環境コーディネーター試験向けの公式テキストとは?

福祉住環境コーディネーターの資格は東京商工会議所が平成11年に創設した公的資格ですが、この検定試験の2~3級は、東京商工会議所発行の「公式テキスト」に掲載されている内容に基づいて出題されます。
公式テキスト
つまり、この公式テキストさえ、しっかり押えておけば、合格基準である7割以上の得点を取ることができるわけです。

そのため、本試験は公式テキストをベースに市販の問題集を解きながら実力をつけていく独学スタイルの受験者も少なくありません。