介護福祉士の資格を取得するためのルートはいくつかありますが、介護福祉士国家試験自体は大きく2つ、筆記試験と実技試験に分かれます。 ※ 旧法の下では国家試験を受けなくとも介護福祉士の資格を取得できましが、試験制度改正により第28回試験以降は養成施設卒業者も国家試験の受験が必要です。 しかし、鉛筆を握って黙々と解答用紙を埋めていく筆記試験とは異なり、介護福祉士実技試験は試験委員の目の前で実際にあなた自身がモデルを相手に演じなければならないため、この手の実技試験を苦手とする者にとっては、独特の緊張感とプレッシャーに押しつぶされ、試験当日は頭が真っ白になってしまい、普段ならしないようなミスを連発してしまった…という苦い経験をお持ちの方もいるようです。 そこで、介護福祉士実技試験対策を講じるうえで、まず最初に受験者が気になるであろう試験当日の一連の流れについて説明しておくので、前もってその全体像をザッと把握しておきましょう。 地域によって、若干異なってきますが、介護福祉士実技試験の当日は、だいたい次のような流れで進んでいきます。
実際に実技試験が行われる試験室内の様子ですが、ここにも直前の控室で渡された課題文が壁や黒板等にデカデカと掲示(あるいは紙が張り付けてある)されているはずなので、試験中、課題内容を忘れてしまっても心配いりません。 また、試験室内には試験官を筆頭に試験補佐官、介護役のモデルの計3名が待ち構えています。 ※ 試験会場が学校等に指定されている場合は、その学内の学生さんが介護役のモデルになっているケースも多いようです。 筆記試験に比べ、相手を必要とする実技試験は対策が立てにくいとも言われていますが、本試験前に最低限押えておきたい介護福祉士実技試験対策のポイントについてまとめておくので参考にしてみてください。 実技試験当日はいったいどんな格好で行けばよいのかといった服装で悩みを持つ方もいるようですが、この点については〝ジャージ〟と〝スニーカー〟で試験に臨む受験者が多いようです。 また、職場で着用している仕事着などがある方は、着なれたユニフォームやエプロン、看護サンダルなどを持参してくる受験者も少なくありません。 なお、髪の長い女性の方はヘアゴムで束ねるなどしてから試験に臨むことをおススメします。 ※ 靴は履き慣れているものを選び、紐付きなら解けないようにしっかりと結ぶ!(万が一に備え、紐が解ける恐れのある紐靴などは避ける人も…) 筆記試験では判断しかねる介護福祉士に求められるスキル(介護技術)を評価するための試験が実技試験なので、介護を必要とする者の安全や安楽等に特に配慮しながら指示された課題をこなすことが何よりも重要になってきます。 介護福祉士実技試験は制限時間が5分と短く、与えられた課題を時間内にクリアできるか不安を抱く受験者も多いようですが、これまでの試験結果を振り返ってみると、試験時間をオーバーしたからといって、必ずしも落第するとは限らない(単に要領が悪いだけであったり、何度もやり直しをしているようなケースは除きますが…)ようです。 したがって、制限時間内でクリアすることを最優先するよりも、ここは大事だなと思えるチェックポイントを慌てず丁寧な介助で行うことを重視した介護を心がけた方が良さそうです。 ※ 自分の介護の仕方の間違いに気づいたら、「もう一度やり直します!」と一言断りを入れてやり直しても特に問題ありません。 なお、試験中は、いちいち試験官の顔色をチラチラ伺いながら介護を行うようなことはせず、試験官はいないものと思い、介護役のモデルに集中し、介護に徹するようにしましょう。 ベテラン介護士であればあるほど、介護福祉士実技試験は楽に合格できるのではないか…と思い込みがちですが、必ずしもそうとは言い切れないのが、ある意味この試験の難しさでもあります。 というのも実際の介護の現場で行われている技術が、必ずしも実技試験で求められている技術と一致するとは限らないからです。 プライドの高いベテラン介護士ほど、こっちの方がより実践向きだと独りよがりの介護を本試験中にしてしまう受験者もいるようですが、あくまで介護福祉士の資格取得を目指しているのであれば、その気持ちも分からなくはありませんが、これは試験と割り切って基本に忠実な介護に徹した方が良さそうです。 |
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